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かわいい秘密(2)
「すみません…気が抜けちゃって…」
「そうなるのも無理ないさ。
流石の俺だって緊張してたんだ。
よく頑張ったな、偉かったぞ。」
子供みたいに褒められて、何だか擽ったい。
あれ?
いつものルートじゃない…何処に向かってるんだろう。買い物?
「達也さん、何処かに寄るんですか?
いつもの道と違う…」
「ふふっ。せっかくだからな、ホテルとレストランを予約しておいた。そっちに向かってる。」
「ええっ!?わざわざ!?そんな…贅沢です!」
「まぁ、そう言うな。俺達の結婚記念日なんだぞ。
新婚旅行は暫くお預けだからな。せめてそれらしいことはさせてくれよ。」
「…はい。ありがとうございます。
あ!でも下着とか着替えを持ってきてないです…」
「それも心配いらないよ。
悪いけど勝手に準備してきた。俺のと纏めてスーツケースに詰めてきてる。
黙っててすまない。サプライズにしたくて…」
「達也さん……何から何までありがとうございます。
俺、何も気付かなくて…ごめんなさい。」
「何を謝るんだ?
俺がしたくて勝手にしたことだぞ。
ほら、弘毅。そんな顔しないで。もうそろそろ着くぞ。」
「…はい。」
2人一度に長期で休むと流石にバレてしまうと思い、新婚旅行は年末年始まで先延ばしにしたけど、本当は何か記念になることをしたかった。
でも、俺から言い出すのは何だかな…と思っていたから…せめて式が終わってから手料理を振る舞おうと思ってたんだけど、自分が思っていた以上に精悍疲れ果てていた。
頭の中で料理の段取りをするものの、気が重かったのは確かだ。
だから、達也さんのサプライズは本当に嬉しかった。
達也さんに先を越されちゃった。
でも…嬉しいな。
ドキドキしながら車が滑り込んだ先は……達也さん、張り込みましたね…大丈夫!?
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