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かわいい秘密(5)
とろりと蜂蜜のような甘い囁き声が聞こえた。
「弘毅、一緒に入ろうか…」
一緒に?何処に…うわっ!
「やっ、ダメ!ダメですっ!俺、俺ひとりでっ!」
「そんなに拒否らなくても……」
「だって、俺だって色々と…お願いっ、ダメですっ!」
「うーん……そこまで言うなら仕方ないな…
今夜は引くけど、この次は覚悟しておけよ。」
ちゅ、とリップ音を残し、俺をソファーに座らせると達也さんは笑いながらバスルームに消えて行った。
はぁ、助かった…一緒にお風呂なんてまだハードルが高過ぎる。
まだまだ慣れないよ。
お互いの裸なんて見慣れているし、それ以上のスゴいことやってるけど、無理だ。
だって『洗ってやる』なんて言いながら、あちこち俺の感じるところをワザと弄ってくるし、自分でするのも恥ずかしいのに、アソコを解しにかかってくるし。
そんなことされたら、100%準備OKになる俺の身体はとんでもないことになる訳で。
感じちゃって喘ぎまくって、挙げ句の果てに逆上せて寝込むのが目に見えている。
達也さんは『看病するのも堪らない』なんて恐ろしいことを言うし。
あーーっ。『今からヤります』的に風呂に入るのなんて恥ずかしくて消えてなくなりたい。
身悶える俺の視界に、白い物が入った。
鞄から少し覗いていたそれは、遥さんから貰ったパッケージだった。
「『旦那様が喜ぶもの』って何だろう…」
綺麗にラッピングされた軽いそれを取り出して、リボンを外した。
しゅる…がさがさ…パサッ
「……ナニコレ?」
中から現れたのは、紐の付いた白い三角形の小さな布。
頭の中をクエスチョンマークが渦巻いた。
行き着いた結論は……
「まさか、コレ……」
遥さんの悪戯っぽい微笑みが蘇り、ぼふっと顔が熱くなった。
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