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かわいい秘密(7)
いや、待てよ。
バスローブはいいけど、その下に何にも着てない、ってことだよね!?
それはそれで危険な感じがする。
ふと、籠の中の白い布に目がいった。
今はコレしかないのか…じっと見ていると、遥さんの優しい声が聞こえてきた。
『よろしければ今夜、お使いになってみて下さい。
旦那様がことのほかお喜びになられるそうで、ご好評いただいているんですよ。』
旦那様…達也さんも…喜んでくれる!?
遥さんの自信満々の微笑みと、達也さんの喜ぶ顔がリンクした。
はぁ…取り敢えずシャワー浴びなくちゃ。
俺はスラックスがシワにならないように丁寧に畳み、ボディソープの香りが残るバスルームへ足を踏み入れた。
俺が女だったらこんな思いをしなくてもいいのか、なんてちょっと凹みながら、俺達を繋ぐ大切な場所をいつもより念入りに解し終わり…
身支度を整える。
遥さんからのプレゼントを身につけるかどうか、最後まで迷った。
けれど、俺の頭には達也さんが喜ぶ顔しか浮かばなくて、結局それを穿いてしまった。
心許ない小さな布は、ピッタリと俺の身体の一部となった。
「コレで達也さんが引いちゃったら遥さんに文句言わなきゃ。
うちの達也さんはダメだったんですけど、って。」
ぶつぶつひとり言を言うと、意を決して達也さんの元に向かう。
「あ、弘毅。やっと来た。」
ソファーで寛いでいた達也さんは、俺に気付くと立ち上がってそっと抱きしめてきた。
いつもと違うけど達也さんと同じ匂いに包まれた俺は、それだけで幸せな気持ちになっている。
達也さんの背中に手を回して、きゅ、と抱きしめ返すと、嬉しそうにくっくっと喉奥で笑った。
「弘毅、愛してるよ。」
「達也さん、愛しています。」
鼻先をくっつけてくすくす笑っていると、不意に身体が宙に浮いた。
「うわっ」
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