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かわいい秘密(9)
「あっ」
気持ち良くて身体が仰け反る。
すっかり感じる場所に変えられたそこは、息を吹きかけられただけで下半身まで甘く痺れが走る。
達也さんは満足気に微笑むと、右手を下にずらして腰紐を外すとバスローブの裾を大きく割った。
ハッ、ヤバい!見られる!
その手を止めようと、両手で押さえる間もなく、達也さんの動きが止まった。
あぁ……終わった……絶対に引いてる…
顔を見るのが怖くて、思わず目をぎゅっと閉じた。
「…弘毅、これ…どうしたの?…」
達也さんの指が、下着のラインをゆっくりとなぞっている。
俺は両手で顔を隠しながらも、必死で答えた。
もう、半泣きだ。
あぁ、やっぱり穿くんじゃなかった。
後悔しても、もう遅い。
「…遥さんが…旦那様が喜ぶからって…プレゼントだ、って……ゴメンナサイ、見ないで…」
鼻の奥がツンとしてきた。
泣くな、弘毅。
さっさと脱げば済むことだ。忘れよう、忘れてもらおう。
くん、と右の紐を引っ張られた感覚があった。
次は左。
達也さん、何してるんだろう。
恐る恐る手を外して、勇気を振り絞って達也さんを見上げた。
下着の紐に指を掛けた格好で、もう片手は鼻の辺りを押さえている。
「ヤバい…鼻血が出た…ちょっと待っててくれ。」
そそくさと俺を残して洗面所に駆け込んでしまった。
鼻血?大丈夫なのかな。
何処かで打つけたんだろうか。
見に行かなくてもいいのかな。
まもなく戻ってきた達也さんは俺を黙って抱きしめた。
「うっ」
「弘毅…何でそんなかわいいことするんだよ…
ヤバい。興奮して鼻血が出ちまった。
すっげぇ似合ってる。
なぁ、もっと触ってもいい?」
YESもNOも言う前に、すりすりなでなで(本当にこんな表現だ)触りまくられる。
そんなところ擦られたら、俺だって男なんだから、反応するに決まってるじゃん!
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