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かわいい秘密(13)
頭を撫でられる感触で、ゆっくりと意識が戻ってきて目を開けた。
「弘毅っ!」
「あ…達也さん…俺…」
「良かった…無茶して済まなかった。
大丈夫か?」
「はい…大丈夫、です。」
おでこに優しくキスが触れる。
労うように頬を撫でられて、胸がきゅうっとときめく。
あぁ、俺はこのひとに愛されているんだ、と思ったら泣きそうになった。
「達也さん、俺、愛してもらって幸せです。」
「弘毅、その言葉、そのまま返すよ。
俺を選んで愛してくれてありがとう。
俺も幸せだ。」
ふわりと達也さんの温もりに包まれる。
逞しい身体に抱きしめられて、俺はうっとりと目を閉じた。
暫く抱き合っていたが、一緒にシャワーを浴びようと、抱き上げられてバスルームまで運ばれた。
あれだけ乱れて愛し合ったのに、べたべたしてないのは、達也さんが後始末をしてくれたからだろう。
お礼を言うと『当たり前だろ?俺の役得だから。』と笑われた。
とにかく身体は怠いし、お尻に達也さんが埋まっている感覚が残っているし、乳首は弄られ過ぎて痛痒い感じがするし。
明るい照明の下で裸を晒すのにはまだまだ慣れないけれど、達也さんがあまりに嬉しそうに世話を焼くので、恥ずかしいやら嬉しいやら、身を委ねてお任せした。
全身丁寧にバスタオルで拭かれ、髪の毛もドライヤーでふわふわにされた。
再び横抱きにされて、ベッドで達也さんの腕の中へ。
「それにしても弘毅…アレは反則だ。」
「え?アレ?…あ……」
「あんなかわいいことされたら、俺は獣化して人間に戻れなくなるかも。でも、嬉しかったぞ。
あとで新しいヤツ、一緒に選ぼうな♡」
「“新しいヤツ”って…ええーーーっ!?」
魔王は、フッ、と片側の口角を上げて微笑んだ。
遥さぁーーーんっ!
大変ですぅー!!
ヤバいですぅーーっ!
心の中で遥さんに助けを求めながらも、期待に胸震える俺なのだった。
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