お互いの着ている物を脱がせ合って、生まれたままの姿になる。 恥ずかしさなんて何処かへ吹っ飛んでいた。 手を引かれ無言で抱きしめ合う。そして庇うようにゆっくりと横たえられた。 反転する視界に、達也さんだけがはっきりと写っている。 擦れ合う素肌が、それだけで快感を呼び起こし溺れていく。 人肌って、何て気持ちがイイんだろう。 俺の身体中を弄る手の平の大きさと熱さに誘われて、俺も手を伸ばし達也さんの身体を撫で摩る。 「弘毅…お前に触れているところ全てが気持ちイイ…」 吐息混じりに囁かれて、背中に甘い電流が走る。 「…俺も…俺も…凄く気持ちイイです…」 「うん…暫くこうして……」 「はい…」 軽いキスの音が繰り返され、その間も2人の手は動き、足を絡めて。 頭がぼおっとしてくる。 身体が蕩けてなくなりそうで。それでも怖くなかった。 『愛してる』の思いが交差して泣きそうになった。 「弘毅…弘毅……」 俺の名を呼び続ける達也さんの唇は、次第に喉元へ降りて下から上へと舐め上げられる。 このまま喉笛に喰らい付きそうな猛獣の髪の毛に指を差し入れ、くしゃくしゃと撫でてあげた。 達也さんの両手は、遊ぶように俺の尖りを弄っている。 その頃にはどちらのものか分からない先走りの液が、お腹や胸を汚して粘着質な音を立て始めていた。 ほしい。この男がほしい。 俺の、俺の生涯をかけた伴侶。 まどろっこしい愛撫は今はいらないから、早く俺の中に入ってきて。 胸を愛撫する達也さんの手を止めた。 「…達也さん…」 「どうした？ココじゃないのか？何処を触ってほしいんだ？」 達也さんは楽しそうに問い掛けた。 俺は首を横に振ると、達也さんの目を見つめて言った。 「…ほしい…達也さんをすぐ頂戴…早く…」