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幸せのステップ(20)
大した愛撫も受けないまま、俺の身体はエラの張った部分も難なく飲み込んで、俺達はひとつになった。
「弘毅、いい子だ。上手に飲み込んだな。
お前の中、しっとりと俺を包み込んでる。
んっ…何だ?…ふふっ、俺、弘毅に食われてるみたいだ…あぁ、イイな…凄くイイ…」
達也さんが言うように、俺のナカが蠢いて達也さんを愛撫しているようだった。
イイ…凄くイイ…言葉にできないくらい気持ちイイ。
自分の口から信じられないくらい甘い吐息が零れ落ちる。
愛されている…愛している…
沸々と湧き上がる熱い思いに満たされて、ぽたりとシーツに涙が落ちた。
「弘毅?苦しいのか?」
声の振動がナカに伝わり、快感を呼び起こす。
ぶるりと震えた俺は、慌てて首を横に振る。
「あなたを愛し過ぎて……あっ」
目の前に火花が散った。
達也さんが奥を更に抉ってきたのだ。
「弘毅、もうそれ以上かわいいことを言うな。
もう歯止めが効かなくなるぞ…」
達也さんの焦った声と、結合部からぐじゅぐじゅという音が聞こえ、激しい抽挿が開始された。
「ああっ」
後はもう、達也さんにひたすら翻弄されて愛されて…2人の肌が触れ合う音と、言葉にならない俺の甘えた声と…達也さんの低い唸り声が響いていた。
何度達したかも分からない。
出し切って、きっとドライでイってたんだと思う。
意識が飛ぶ寸前に、達也さんが息を荒げながら俺を抱きしめて耳元で囁いた
「弘毅、愛してる。」
という言葉を夢見心地で聞いた。
その後は…記憶がない…
ピピピピピ
ん…あと5分…何だか身体が怠い……
はっ!今何時!?
鳴り続けるアラームを止めて時計を見た。
あ…良かった…目が覚めた…起きなくちゃ。
隣には愛おしい男が、俺に巻き付いて眠っていた。
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