278 / 280

幸せのステップ(20)

大した愛撫も受けないまま、俺の身体はエラの張った部分も難なく飲み込んで、俺達はひとつになった。 「弘毅、いい子だ。上手に飲み込んだな。 お前の中、しっとりと俺を包み込んでる。 んっ…何だ?…ふふっ、俺、弘毅に食われてるみたいだ…あぁ、イイな…凄くイイ…」 達也さんが言うように、俺のナカが蠢いて達也さんを愛撫しているようだった。 イイ…凄くイイ…言葉にできないくらい気持ちイイ。 自分の口から信じられないくらい甘い吐息が零れ落ちる。 愛されている…愛している… 沸々と湧き上がる熱い思いに満たされて、ぽたりとシーツに涙が落ちた。 「弘毅?苦しいのか?」 声の振動がナカに伝わり、快感を呼び起こす。 ぶるりと震えた俺は、慌てて首を横に振る。 「あなたを愛し過ぎて……あっ」 目の前に火花が散った。 達也さんが奥を更に抉ってきたのだ。 「弘毅、もうそれ以上かわいいことを言うな。 もう歯止めが効かなくなるぞ…」 達也さんの焦った声と、結合部からぐじゅぐじゅという音が聞こえ、激しい抽挿が開始された。 「ああっ」 後はもう、達也さんにひたすら翻弄されて愛されて…2人の肌が触れ合う音と、言葉にならない俺の甘えた声と…達也さんの低い唸り声が響いていた。 何度達したかも分からない。 出し切って、きっとドライでイってたんだと思う。 意識が飛ぶ寸前に、達也さんが息を荒げながら俺を抱きしめて耳元で囁いた 「弘毅、愛してる。」 という言葉を夢見心地で聞いた。 その後は…記憶がない… ピピピピピ ん…あと5分…何だか身体が怠い…… はっ!今何時!? 鳴り続けるアラームを止めて時計を見た。 あ…良かった…目が覚めた…起きなくちゃ。 隣には愛おしい男が、俺に巻き付いて眠っていた。

ともだちにシェアしよう!