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第一章・11
薄暗い教室を、夕映えの茜色が染めている。
船津は、旭の肩を抱いた。
「どう? 今から」
「ここで、ですか!?」
「いつもと違うシチュエーションだと、燃えるんじゃない?」
そう耳元で囁かれると、あっという間に腰が砕ける旭だ。
旭を背後から抱きしめた船津は、旭の首筋にキスをしながら腰のベルトを外している。
(慣れてるんだな、船津先輩)
秀麗な姿形に、冴えた頭脳。
スポーツもできて、御家柄も良しと来ているαの船津だ。
彼を恋い慕う人間は多かったので、より取り見取りといったところなのだろう。
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