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第一章・16

「できた……」  旭は、つい声を漏らしていた。  頑張った。  苦労した。  途中で、何度もうやめようかと思ったことか。  でも、大好きなあの人のために。 「よかったな、宮城」 「クリスマスに、間に合ったね」 「喜んでくれると、いいな」  そんな友人たちの温かな声に、報われる。 「ありがとう」  旭は、セーターを胸に抱きしめた。  編み込んだ想いの総仕上げのように、毛糸に頬を埋めた。

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