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第一章・19

「やっぱりな、おかしいと思ったんだ」 「宮城じゃ、お前に釣り合わないよ」 「諦めろ。寂しいけどな」 「うるさい! お前らは、散れ!」  不機嫌を剥き出しにする逸朗を笑いながら、悪友たちは去って行った。  馬鹿みたいだ、俺。  宮城に、お返しのクリスマスプレゼントまで用意したのに。  友人が旭に問いただしたところ、逸朗のサイズを測ったのは、彼が船津先輩と体格がそっくり同じだったからだ、ということだった。 (いいんだ……、俺はαなんだから。Ωのプレゼントなんか、受け取れないんだから……)  一日中、そう自分に言い聞かせ続けた。  授業中まで考えていたので、先生に叱られた。

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