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第一章・20

 放課後、とぼとぼと下足棟に向かった逸朗を待っていたのは、笑顔の旭だった。 「真柴くん、寸法測らせてくれてありがとう」  おかげで、船津先輩にセーターを贈ることができたよ、と旭は屈託のない笑顔だ。 「船津先輩にプレゼント、って。お前、身の程を知れよ。倍率、何倍だと思ってるんだ?」  船津は、かなりモテる。  2年生でありながら、旭をはじめ1年にも、年上の3年生にも、モテる。  そう言う逸朗に、旭は唇を尖らせた。 「解ってるよ、それくらい」  自己満足でも、いいんだもん。  その他大勢でも、いいんだもん。  いつか、セフレ脱却するんだもん。  そんな旭は、バッグから包みを取り出した。

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