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第一章・21
「はい、これ」
「何だよ、これ」
緑のラッピングに赤のリボンは、どこから見てもクリスマスプレゼントだ。
「サイズ測らせてもらった、お礼」
「え!?」
逸朗は、焦ってその場で包みを開いた。
「マフラーだ!」
「か、勘違いしないでよね。毛糸が余ったから、編んだだけ」
「編んだのか!?」
「え? まぁ、一応」
毛糸が余った、と旭は言ったが、マフラーの色は空色だ。
船津のセーターには、使っていない色だ。
(よっしゃあ!)
逸朗は、心の中で雄叫びを上げていた。
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