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第一章・22

 こほん、と咳ばらいを一つ。  逸朗は、歓喜を押し殺した。  俺はαだ。  Ωからのプレゼント一つごときで、尻尾を振ってはいけないのだ。 「じゃあ、これは俺から」 「えっ」 「お返しだよ。クリスマスプレゼントの」  嘘! と、今度は旭が焦って包みを開けた。  そこには、コーラルピンクとグリーンアップルの手袋が! 「これ、真柴くんが編んだの!?」 「バカ! ンなわけあるか!」  でも、旭は嬉しそうだった。  ありがとう、と言うその顔は、編み物をしていた時の表情に、似ていた。

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