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第一章・23

「寒いな、今日は」  そう言って、逸朗は旭からのマフラーをさっそく身につけた。 「似合うよ」 「そ、そうかよ」  じゃあ、僕も。  そして、同じく逸朗からの手袋を身につける旭だ。 「勘違いするなよ、義理だからな。義理」 「解ってるよ。僕の方こそ、義理なんだからね」  長い長い、両片思いの始まりだ。  外は冷たい北風が吹いていたが、二人の間は温かかった。  仲良く肩を並べて、イルミネーションの中へと入って行った。

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