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第二章・3

 夫婦円満に協力してあげてるんじゃない、と旭は言う。 「真柴くん、偉いよ!」 「そ、そうか?」 「じゃあ、決まり。今年のイブは、真柴くんもボッチじゃないからね!」 「決まったのかよ!?」  旭の実家は県外なので、マンションを借りて独り暮らしだという。  そこに逸朗は、お邪魔することになった。 「いいよなぁ、独り暮らしだなんて。自由気ままで」 「うん。でも、ちょっぴり寂しい時もあるよ」  今夜が、そういう時なのかな。  そんな風に、逸朗は考えた。  必死でセーターを編んでいた、旭。  だが、その相手は手の届かないような憧れの先輩で。

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