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第二章・8

「待って! せっかくだから、キャンドル灯そう」 「何ぃ~?」  旭はケーキの真ん中にキャンドルを刺し、火をつけた。  そして、照明を落とした。 「ほら! いい感じ!」 「俺ら二人でいい感じになって、どうするんだよ……」  お願いがあるんだけど、という旭に、逸朗はすでに白旗を上げていた。  何でも来い。  好きなように、二人ぼっちのクリスマスを演出しろよ。 「ソファに座るんだけどね、その、僕の後ろに座って欲しいな~、とか」

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