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第二章・16

「じゃあさ、俺もう帰るから」 「え!?」   『友達が、今から帰るところです』  こんなことを言ってしまって。  どうやって、真柴くんに帰ってもらおうかと思っていたのに。 「そ、そう? もう少し、居れば?」 「あんまり遅くなると、補導されるだろ」  船津先輩が今から来るだろ、とは言えなかった。  そんな、旭を苦しめるような言葉は、出て来なかった。  じゃあ、これで。  コートを羽織り、逸朗は旭の部屋を出た。  これで、楽しいクリスマスイブは、おしまい。 「ちくしょう、夜風が身に染みるぜ!」  俺はαなんだから!  やせ我慢だって、辛くない!

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