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第二章・17

 部屋に独り残された旭は、逸朗の残していった思い出を必死に片付けていた。  食器を拭いて、キッチンボードへ収めて。  ソファのカバーを、換えて。  ずっと逸朗が触れていた、ソファのカバー。  旭はそれを洗濯機に入れる前に、きゅっと抱きしめた。 「ごめんね、真柴くん」  もしかして彼は、電話の会話を聞いていたのかもしれない。  いくら船津先輩のことが好きだから、って。  今から帰るところ、だなんて……。  その時、ドアベルが鳴った。  船津が、やってきたのだ。

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