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第二章・22

「クリスマスプレゼント、ありがとう。素敵なセーターだったよ」 「あ、はい! ありがとうございます!」  でも、今そのセーターを着ていない船津がここにいる。  逸朗は、その場ですぐに身につけてくれたのに。 「手編みだよね? あれ。だからというわけじゃないけど、今夜は宮城と過ごしたいんだ」 「ありがとうございます……」  頑張ってよかった。  苦労してよかった。  おかげで、こうしてイブを船津先輩と過ごす事ができる。 「行こうか」 「はい」  船津は旭の肩を抱き、真っ直ぐ寝室へ向かった。  すでにエアコンで温められた部屋は、旭の返事でもあった。

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