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第二章・26
「欲しい。いっぱい、欲しいッ! あぁ、あッ! あぁああ!」
「出すよ」
旭が絶頂に昇り詰め、精を放ってしまってから、船津は彼の内に吐き出した。
解き放たれた快感と、体内に注がれる満ち足りた悦楽とが、旭を襲ってくる。
感極まって、旭の意識は高く遠く飛んだ。
「あ、はぁッ。ッ、あ、あ……、ぁ……」
弛緩しきった旭の体は、急に重くなった。
汗が髪を濡らし、そこから伝った雫が閉じた瞼に浸み込んでいく。
船津も口を開けて息をしながら、荒い呼吸を整えながら、涙にも見えるその光る汗を眺めていた。
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