62 / 153

第三章・7

 勉強だ!  冬休みは、勉強三昧で成績アップ大作戦だ!  少しでも、旭と一緒にカラオケに行こうと思った自分が情けない。  それでも、彼のことはやっぱり気になる逸朗だ。  休み時間に、船津が旭を訪ねて1年の教室まで来た時には、胸が騒いだ。 「カラオケ、ですか?」 「そう。二人っきりじゃないけどね。いいかな」  ぜひ宮城と一緒に遊びたい、という友達がいるんだ、と船津は言う。 「どうして、僕と」 「自覚がないなぁ、宮城は。学園のアイドルなのに」  アイドルだなんて、そんな。  でも、船津先輩と一緒にカラオケできるのなら……。 「行きます、僕」 「ありがとう。友達も喜ぶよ」

ともだちにシェアしよう!