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第三章・10
フードやドリンクが運ばれて来て、カラオケパーティーが始まった。
初めは緊張していた旭も、食べ、飲み、歌っているうちに、楽しくなってきた。
「そろそろいいんじゃない?」
「解った」
そんな内緒話も、耳に入らなかった。
拍手の中、ソファに腰を掛けると、旭に船津が寄り添ってくる。
「どう? 楽しんでる?」
「はい、とっても!」
よかった、と微笑み、船津はバッグからペットボトルを取り出した。
「ここ、持ち込みしてもいいんだ。宮城、もっと楽しくなろうよ」
これを飲んで、と船津は旭のグラスにペットボトルからジュースを注いだ。
「ありがとうございます」
だが、一口飲んで旭は驚いた。
「船津先輩、これって……!」
「大丈夫。度数は3%しかないんだ。洋酒入りのチョコと一緒だよ」
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