66 / 153
第三章・11
本当は、甘口の白ワインだ。
アルコール度数は7%程度ではあるが、慣れていない人間には、あっという間に回る。
「甘くておいしいだろ?」
「はい……」
勧められるまま2杯半ほど飲んだ頃には、旭の身体はすっかり酔っていた。
「旭ちゃん、大丈夫?」
「眠っちゃ、ダメだよ?」
くすくすと、周囲から笑い声が聞こえる。
笑い声だけではなく、腕が何本も伸びてきた。
「服を、緩めてあげるよ」
「これ、飲んで。酔い覚ましだよ」
服を剥がれ、手渡された水を旭は素直に飲んだ。
「これ……、水じゃありません……ッ」
ともだちにシェアしよう!