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第三章・12

 旭は必死で訴えたつもりだったが、巧くろれつが回らない。 「仕上げの日本酒でした~!」 「すっかり、出来上がっちゃったね」 「じゃあ、いただこうか?」  え?  どういうこと?  船津先輩……!?  そこで旭は、昨日船津がぽろりと零した言葉を思い出した。 『その友達みんなとで、旭を輪姦するのも楽しかったかも』  まさか。  船津先輩、まさか。  はだけられた服の隙間から、掌が肌を撫でさすって来た。  ヤだ。  イヤだ。  助けて、誰か!  旭の悲鳴は言葉にはならず、誰の耳にも届かなかった。

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