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第四章・2

 しかし。  しかし、残念だが宮城のことは、もう諦めよう。  あの様子だと、船津先輩といい感じになってるに違いない。 (いや!? 諦めるも何も、始まってもいないじゃないか!)  俺はαだ!  Ωなんかに、うつつを抜かしていてはダメなんだ! 「真柴、何歌う?」 「よし! タブレット貸してくれ!」  マイクを手に、逸朗は入力を始めた。  どれも、絶叫できる明るい歌ばかりだ。  少々、自棄になっていた。

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