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第四章・14

「いいから、早く行けよ」 「すみませんでした」  ああ、行ってしまう。  いや、このチャンスを失うわけにはいかない!  旭は、口を塞いでいる男の手を、思いきり噛んだ。 「ぃッてぇ!」 「た、助けて!」  何ぃ、と逸朗は出て行きかけた歩みを止めた。  咄嗟の判断だった。  手でスイッチを探り、照明を点けたのだ。  目に飛び込んできたのは、ソファの上で眼を真っ赤に泣きはらしている旭。  衣服は乱れており、彼の身に何が起きたのかはすぐに解った。 「宮城!」 「ま、真柴くん!?」  まさか、知り合いだったとは。  真柴くんに、こんな所を見られちゃうなんて!  

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