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第四章・20

 正直、ホッとした。  今からやることは、真柴くんには見せたくなかったから。  旭は腹に力を入れ、体内に散々注がれた忌々しい体液を排泄した。  後ろに指を入れ、掻き出した。  体内の汚物を全部出してしまうと、ようやく人心地ついた。  シャワーで体を流し、良い香りのするシャボンを使い、バスタブに身を委ねた。 「あぁ……」  身体は綺麗になったけど、消せない汚れが心にこびりついている。  まさか、こんなことになるなんて。 「船津先輩……」  バスルームで、泣いた。  好きだったのに。  大好きだったのに。  思いきり、泣いた。

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