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第四章・21

 バスルームから上がると、部屋は快適に暖められていた。 「平気か?」  真柴くん。  彼が、エアコンを入れてくれたんだ。  脱衣所にある乾燥機から部屋着を出して、置いていてくれたのも真柴くん。  そして今、あったかい緑茶を淹れてくれた。 「一人になりたいなら、俺帰るけど」 「ううん。怖いから、ここに居て」 「怖い?」 「船津先輩が……、来たら怖い」  船津の野郎。  逸朗は、船津に『先輩』と付けるのをやめた。  一体どうしたら、宮城がこんなことになるんだよ!?

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