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第四章・23
「ね、真柴くん。Ωって、やっぱりαに従うしかない存在なのかな」
「そ、そんなことないさ。宮城は、俺より成績もいいし」
旭は瞳を閉じて、ぽろぽろと涙を零した。
『なぁ、船津。ホントにヤっちゃっていいの?』
『いいさ。Ωなんか、犯されるために存在するんだから』
『船津の恋人だろ?』
『ただのセフレだよ。何でも言うことをきく、お人形さん』
船津からの心無い言葉が、旭をひどく傷つけ蝕んでいた。
「船津先輩はαだけど、僕を、Ωをそんな目で見ない人だと思っていたのに」
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