103 / 153

第五章・12

「何か掛けるもの、あるか? 俺はソファで……」 「ここで寝て、真柴くん」  旭が、必死で縋って来た。 「お願い。一緒に、寝て」 「解った。解ったから、放せ」  そのまま逸朗は、旭のベッドに横になった。  旭は照明を操作して、オレンジ色のダウンライトにしている。 「真っ暗だと、眠れないのか?」  次の瞬間、逸朗は飛び上がった。  旭は、返事の代わりに部屋着を脱ぎ始めたのだ。 (いや! 今からパジャマを着るんだ、宮城は! そうに決まってる!)  だが旭は、その白い肌を晒したまま逸朗ににじり寄って来た。 「真柴くん、僕を抱いて」 「え!」 「抱いて、僕を清めて欲しいんだ。お願い……」  逸朗は、激しく動揺していた。

ともだちにシェアしよう!