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第五章・12
「何か掛けるもの、あるか? 俺はソファで……」
「ここで寝て、真柴くん」
旭が、必死で縋って来た。
「お願い。一緒に、寝て」
「解った。解ったから、放せ」
そのまま逸朗は、旭のベッドに横になった。
旭は照明を操作して、オレンジ色のダウンライトにしている。
「真っ暗だと、眠れないのか?」
次の瞬間、逸朗は飛び上がった。
旭は、返事の代わりに部屋着を脱ぎ始めたのだ。
(いや! 今からパジャマを着るんだ、宮城は! そうに決まってる!)
だが旭は、その白い肌を晒したまま逸朗ににじり寄って来た。
「真柴くん、僕を抱いて」
「え!」
「抱いて、僕を清めて欲しいんだ。お願い……」
逸朗は、激しく動揺していた。
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