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第五章・16
「な、どんな体位がいい? 俺、宮城に併せるから」
「ありがとう、真柴くん」
意外なことに、旭は正常位を求めてきた。
上から被さっても、大丈夫なのか?
「怖くないか? ……その、思い出したりしない?」
「解んない。でも、真柴くんの顔を見ながら、抱かれたいんだ」
「じゃあ、怖くなったら言えよ? すぐ、やめるから」
「うん」
俺を下から見上げることで、昼間の恐怖を上書きしようというのか。
(宮城をここまで追い詰めやがって。船津の奴、やっぱ許せねえ)
旭をベッドに寝かせ、逸朗はその上からゆっくり覆いかぶさっていった。
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