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第五章・21
「あ、あぁ。ふぁ、あぁん……」
旭は、思わず声を漏らしていた。
引き抜く逸朗に併せて、内壁が引き攣れる。
それがたまらなく、気持ち悦いのだ。
ギリギリまで引き抜かれ、再び侵入してくる逸朗。
旭の身体に、心に負担を書けないよう思いやってくれているのだろう。
逸朗の動きは、やけに穏やかだった。
「んぁ、あ。はぁ、はぁ、あ。あぁ……」
うっとりとした声が、あがった。
(宮城、今のところ大丈夫だな)
逸朗は、のぼせ上りながらもそんな冷静さは保っていた。
これ以上、旭を傷つけたくなかった。
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