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第五章・24

 大きく背を反らせてヒクついている旭の姿は、逸朗の脳髄を直撃した。 「あ、やべッ!」  出る、と思う間もなく、逸朗もまた、熱い体液を吐いていた。  旭の内に。  直接、注いでいた。  二人の下肢が、勝手に動く。  痙攣する。  どちらからともなく、顔を近づけてキスをした。  身体の昂りが治まるまで、繰り返しキスをした。 (宮城、大丈夫だったかな。傷口を、俺が広げたりしなかったかな) (僕、こんなに感じちゃって。真柴くん、僕のこと淫乱だって思ったり、しなかったかな)  考える事は違っても、互いを想うことに変わりはなかった。

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