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第六章 決戦

 クリスマスの日、逸朗と旭は結ばれた。 『僕、真柴くんのこと好きなんだ。好きな人に、抱いてもらいたいんだ』  こんな嬉しいことを言ってくれた、旭。  朝になり、逸朗はこの言葉を噛みしめた。  心に深く、刻んだ。  もしかして、長く続かないかもしれない。  そんな風に、この恋の行く末を考えた。  凡庸αと優秀Ω。  旭はいつか、俺のことを物足りなくなるかもしれないのだ。 「だったら、俺も優秀になってやるぜ!」 「どうしたの? 何言ってるの、朝から」  パジャマ姿の旭が、キッチンへ入って来たのだ。

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