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第六章・3
一緒に登校し、校門をくぐった。
道を歩く旭が怯えて見えるのは、気のせいではないはずだ。
昨日の3人に会うことを、恐れている。
船津と顔を合わせることを、恐れているのだ。
「大丈夫。いざとなったら、絶対に俺が守るから」
「頼りになるの? 逸朗は」
「信用ねぇなぁ」
そうは言っても、逸朗も警戒してはいた。
特に、船津。
昨日の言動を見て思ったことは、あいつは普通じゃないということだ。
悪く言えば、イカレてる。
そんな船津が旭に悪さをしないよう、逸朗は気を引き締めていた。
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