120 / 153

第六章・3

 一緒に登校し、校門をくぐった。  道を歩く旭が怯えて見えるのは、気のせいではないはずだ。  昨日の3人に会うことを、恐れている。  船津と顔を合わせることを、恐れているのだ。 「大丈夫。いざとなったら、絶対に俺が守るから」 「頼りになるの? 逸朗は」 「信用ねぇなぁ」  そうは言っても、逸朗も警戒してはいた。  特に、船津。  昨日の言動を見て思ったことは、あいつは普通じゃないということだ。  悪く言えば、イカレてる。  そんな船津が旭に悪さをしないよう、逸朗は気を引き締めていた。

ともだちにシェアしよう!