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第六章・5

「ごめん。そういう訳だから! それより、もっと大事なことが!」  実は旭は、2年生との間にトラブルが起きて困ってる。  そういう風に、逸朗は友人たちに打ち明けた。 「特に、船津。あいつはヤバい」 「呼び捨てかよ」 「何があったんだ」 「言えないことか?」  はっきりとは言えないけど、と逸朗は手を合わせて友人たちを拝んだ。 「2年生とか船津とかがこの辺うろついてたら、すぐ俺か旭に教えて欲しいんだ」  頼む、と何度も頭を下げた。

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