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第六章・8

 逸朗は友人たちに旭を頼むと、2年生について行った。  校舎を出て、特別棟を回って、来賓用の臨時駐車場までやって来た。  そこには、残る2人が待っていた。  逸朗を連れてきた男と合わせて、3人。  まさに、昨日カラオケボックスに居た面々だった。  そして。 「船津……!」  3人より少し離れて、船津が立っていた。  相変わらず表情の読めない、薄ら笑いを口元に張り付けている。 「昨日は、世話になったね。真柴くん」 「これ以上、旭に近づくな」 「威勢がいいね。いつまで、持つかな」  逸朗には、ピンときた。  俺は、喧嘩を売られてる。  3人がかりで、船津も加えて、俺を嬲るつもりでいやがる!

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