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第六章・9

「数がいれば、勝てると思ったのか!?」  逸朗は素早くしゃがむと、足元の砂を手のひら一杯すくった。  そしてそれを、3人の目元めがけて振りまいた。 「うわッ!」 「痛ッ!」 「こっ、こいつ!」  動作がひとつ遅れた男たちを、逸朗は足元へのタックルで地面に倒した。  後はもう、蹴った。  一人を蹴り、もう一人が立ち上がりそうになったら、そちらを蹴り。  とにかく、起き上がることができないように、蹴って蹴って蹴った。  さすがに危険なので、腹を蹴るのは一発くらいにしておいたが。  後は、尻や背中を、とにかく蹴った。  蹴り転がした。

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