127 / 153

第六章・10

「思い知ったか、馬鹿野郎!」    残念だったな。  確かに俺は、凡庸なαだ。  勉強は、苦手だ。  だけど、ガキの頃から喧嘩は得意なんだよ!  戦意を喪失して、よろめきながら去ってゆく男たち。  後は……。 「船津」 「真柴くんは、なかなか強いね」  こいつにだけは、負けられない。  静かに近づいてくる船津を、逸朗は警戒した。  だが、この2年生は意外なことを言ってきた。

ともだちにシェアしよう!