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エピローグ・2
「お~お~、眼と眼で通じ合っちゃって」
「この世の春だな、真柴」
「妬み僻みには、気を付けろよ」
友人たちは、旭に微笑みかける逸朗を口々に冷やかした。
だが彼のことを、もう『凡庸α』とは言わない。
逸朗も、自虐的に自分のことをそう思わない。
冬休み明けの実力テストで、全教科20点アップを果たしたのだ。
「塾の冬期講習に、行ったんだ」
そう、逸朗は友人に言う。
(間違いじゃ、ないよな)
確かに、旭の通う塾に、逸朗も通うことになった。
だが、それ以外にも。
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