138 / 153
エピローグ・3
「ほら、逸朗。また、ここの公式間違えてる」
「あぁ、だからこんなヘンテコな答えが出てきたのか!」
冬休みは、旭のマンションで勉強会。
塾でも解らないところは、こうして旭が補ってくれた。
おかげで、成績アップにつながったというわけだ。
「ちょっと休もうか。お茶、淹れるよ」
「俺、ドーナツ買って来たぞ。お茶菓子にしようぜ」
旭と二人でお茶を飲みながら、楽しい時間を過ごす。
自分にこんなひとときが訪れるなんて、一か月前の逸朗は想像だにしなかった。
そして、こんなひとときも。
ともだちにシェアしよう!