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第46話※土屋視点

 今日は渉の誕生日。  あの義妹は渉を連れていくな、と言っていたが...まぁ、いいだろう。昨日は同情して望み通り連れて行かずに、俺があっちで過ごしてやったのだから。  「あ゛ー、でもそのせいでヤれなかったんだよな、」  毎日のよのうにヤっていた渉との性交渉。昨日は舐め合いだけで終わって、本番までいっていない。  そのせいか、なんだか今日1日はやけにすぐイライラしたりしていた。  セックスを覚えたてのガキみたいに、俺はずっと渉の体を求めていたのだ。  朝起きて、隣で寝ている渉を見て衝動のまま、本能のままヤりたくなった。  学校に着いて、渉と同じ制服を着た学生を見て無意識に渉のことを考えてしまい、ヤりたくなった。  帰るときに羽織ったスーツの上着から、もう消えているだろうと思っていた渉の部屋の匂いがして興奮し、ヤりたくなった。  頭の中は渉とヤることしか考えていなかった。  1日。たったの1日だ。渉とヤっていないだけで俺はこんなに追いつめられた感情が湧きあがる。  ―そう言えば、渉はどうなのだろうか。  俺がこんなんになっているんだ。きっと渉だってヤりたくてしょうがないはずだ。  今日の昼間は何をしていたのだろう。やっぱり、俺のことを考えて自分で後ろの穴を弄って1人でヤってたか?  でも毎日ヤってたんだ。渉は指なんかじゃ満足できないはず。  ―じゃあ、俺以外の誰かを連れ込んで後ろを犯してもらってた?  ―ダンッ!!  「...そんなの、許さない」  俺は1つの仮想に激しい怒りを感じ、その怒りのまま部屋の壁を殴りつけた。  渉が他の奴を誘う?俺以外の奴が渉に触るっていうのか?  せっかくここまで自分だけに懐かせたのに、最高の...理想に近い玩具に漸く近づけることができたのに。  それを横から赤の他人が盗っていくなんて許さない。  ―でも、渉はああ見えて淫乱だ。嫌がる素振りを見せても実際は違う。気持ちいいことが大好きなんだ。  もし“気持良くしてくれるなら誰でもいい”と、ここまできておいて俺から離れていこうとしたら...  俺が捨てる、ではなく俺が捨てられる、ということにもなる。  ―ふざけるな。俺が捨てられる?そんなことあってはならない。  じゃあどうする?どうすればいい?  渉が俺のことだけを見続けるようにするには。渉が他の奴を誘わないようにするには。  渉が俺以外の人間に触れないようにするには。  ―そんなことできるか?無理?....ありえないか?  俺は着替えをするのを一旦止め、ソファに座りこむ。  

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