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第49話

 ――う、そ...?嘘って、何が...どこから、どういう、ことだよ  俺はその言葉にショックを受け、ただただジッと土屋の背中を見つめることしかできなかった。  「それなのに渉君は信じきって俺に近づいてさ。俺はただあの“歩の弟”がどんなもんなのかが知りたくて関わっただけなのに。なぁ、社交辞令って言葉、知ってるだろ?渉君に向けてた優しさは全部それだよ?」  「...そん、な..嘘だ...嘘だ嘘だ嘘だ...っ!!今言ってることが...嘘なんだろ?なぁ、そうなんだろう?だって、あんた俺のそばから離れないって言った!あれも...あれも違うっていうのかよ!」  「...うるさいなぁ、」  ひやり、と冷たい声。  「渉君には付き合ってらんない」  人気のない道を過ぎ、ついには人の多い国道の方に道は変わる。  「嫌、だ...」  前を向いて歩く土屋。  「嫌だ...っ!!土屋!!」  俺は人の目を気にすることなく、立ち止まって叫ぶ。  状況についていけない。ちょっと待ってくれ。土屋がいなくなってしまえばもう俺は...っ、  俺を捨てないでくれ、何でもする。何でもするから俺の隣に――――  「もう、疲れたんだ。渉君と一緒にいるのが。  俺はもう行くよ。―――  ――歩のところにさ。」  そして土屋は一度も俺を見ることなく―――  ―――多くの車が走る、車道へと飛び込んだ。

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