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第43話※松高視点

 「んー...ちゃんと乾くかなぁ、」  家に着いてすぐ、部屋に直行した松高は濡れた参考書などを1枚1枚丁寧に乾かしていた。  そうしてしばらく。最後に松高は一冊のノートを手に取った。 わずかだが、数ページ濡れてしまっていたそれを乾かすために、ゆっくりと中を開く。  「...わっ、やば。これ...日記?」  何気無く視界に入ったのはほぼ毎日付けで書かれていた、その日の出来事の数々。慌てて松高は目を逸らすが、何かが引っかかり悪いとは思いながらももう一度ノートの中へと目を向けた。  ― やっぱり...。これ、穂波先輩のじゃない。  今まで穂波と過ごしてきた松高はしばしば勉強をみてもらったこともあり、穂波のクセのある字体などもよく覚えていた。しかしこの日記で使われている字体は全て、書きなぐったような字ばかりで全く別人のものだ、ということは目に見えていた。  そして、この日記が穂波のものではない、とわかった時から松高の焦りは消えた。なぜ穂波が他人の日記を持っているのだろうか、と思いながらも、何気無くパラパラと開いて見ていた松高だがすぐにその手は止まってしまった。  「...これって、」  目は見開き、中に書かれている内容に意識を持っていかれる。それほど、その内容は衝撃的なものだった。  ――  ―――――  ―――――――― ...月...日 今日は穂波と一緒にオナって扱きあった。久し振りにやったからか、穂波は後半ずっと小さく喘いでいた。その声が気に入ったから隠しカメラに残っていた映像の音声だけをひろって携帯に移行。今日も寝る前にもう一度聴いてから寝ることにした。 ...月...日 今日は穂波の従兄弟と初めて会った。二葉という男だったが、見た目は女。顔は一番好きな女優にソックリでびっくりした。性格は良さそうだが、穂波に終始ベッタリだったのが気になった。 男同士だし、付き合ってるなんてことはないと思うが... ...月...日 これからは毎日、二葉が穂波の家に行くというので俺も毎日同行した。二葉と話していれば穂波は二葉を何度もきつく怒っていた。そんなに俺と話していることが不満なのか。穂波はいつもじっとした目で俺を見て、二葉を睨む。穂波は普段怒ったりなんかしないのに。やっぱり二葉の時は違う。 ...月...日 穂波が二葉ばかりを見ているようになった。しかも学校では避けられてる。今日だって俺から逃げるようにして松高の家に行きやがった。むしゃくしゃしたから何となしに二葉を遊びに誘った。本当、あいつは穂波と違って素直で可愛い。その帰り道、穂波が駅にいるのを見つけて、わざと仲を見せつけるようにして帰った。

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