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第44話※

...月...日 二葉と一緒にいる所を見せつけてから数日。二葉を夏休みの間、家に住ませると穂波に言った。あの時の俺を見る穂波の目が忘れられない。必死に止めたがる様子と、縋るような目つき。二葉のことを話に出せば、すぐに穂波の意識は全て俺に向けられていた。たまらなくゾクゾクとして、それを思い出すだけで興奮した。 ...月...日 夏休みに入って毎日来てた穂波が連絡も繋がらないまま、時間になっても来なかった。二葉がいるのに俺の元に来てくれない。漸く連絡が繋がったかと思っても指定した時間にも来ない。終いには嘘までつかれた。俺の言うことを優先しない穂波のことがムカついたから殴って外に放り出した。 ...月...日 穂波がベランダで熱を出して倒れてた。ベッドに寝させてるけど全然起きる気配がない。どうしようどうしようどうしようどうしよう。 ...月...日 もう穂波のことがよくわからない。でも二葉と話す穂波を見てると怒りが沸き立つ。 穂波をどうしたいのかわからない。どんな態度をとればいいのかわからない。ただ、二葉を優先すれば、穂波はまたあの目で俺のことを見てくれるから、その行為だけは止められない。 ...月...日 お盆で二葉が帰ったから、溜まっていた隠しカメラの中をチェックした。 ビデオの中で穂波は俺の部屋で二葉とヤってた。 何も考えられなかった。受け入れたくなかった。ひどく、嫉妬した。だから穂波が気を失ってもなお、犯し続けてやった。 でもこれでわかった。二葉なんてえさはもういらない。穂波は俺のものなんだ。俺だけのものなんだ。でも俺は男同士で付き合うなんていうスキモノじゃないし、気狂いでもない。穂波と俺はそんな気狂いのするような仲じゃない。ただ俺は忠実に俺の言うことを聞いて、俺にしかなつかないモノが欲しいんだ。 穂波だけがいてくれればいい。俺の独占欲を全部注ぎ込んでやる。 抵抗したら足の腱を切る。 逃がしてなんかやらない。 ーーー ------ー ------ーーーーー 「穂波...先輩っ、」 思わず松高は背筋をゾッとさせた。そして息つく間もなく、ノートを置いてある場所へと向かって走り出した。 日記の持ち主は誰なのか、読んでいて手に取るようにわかった。 ーまさか、日向先輩がこんな... うるさく脈打つ心臓。穂波と別れてすでに数時間経っていた。 焦りばかりが生まれる。 携帯の電話にかけるが、繋がらない。メールも一応送ったが、多分返信が来ないであろうということは予想できた。 ー早くしなきゃ、穂波先輩が... 少しでも早くつかなければ、とバスには乗らず道の途中でタクシーをひろい、足早に中へ乗り込んだ。

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