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幕間2 ニッキーあのね
ぼくのお友達は、ニッキーです。
さんさいのお誕生日に、ばあやがつれてきてくれました。ユーリおじさんが、ぼくにとくれました。
ニッキーはおっきなくまさんです。茶色の、ふわふわとしたぬいぐるみです。ぎゅっと、だっこすると柔らかくてとても気持ちいいんだよ。
ばあやは、ベッドに置いておきなさいっていうけど、ぼくとニッキーはいつも一緒です。
中庭のベンチでいっしょにお昼寝をした日の夜は、お日様の匂いがしてぼくはぐっすり眠れます。
ニッキーはぼくがおねしょしても怒らないし、ぼくが起きるまでずっと一緒に寝てくれるお友達です。
ニッキー、あのね。
ニッキーにだけ、ぼくのとっておきの宝物を見せてあげるね。
ばあやに見せたら、洗われちゃうから、絶対に内緒だよ?
まずは、宝物箱の中身を全部だして底板を外すの。
ちゃんと見ていてね、ニッキー。そっとはずすんだよ。
秘密の隠し場所、ばあやも知らないんだ。ニッキーにだけ、教えてあげる。
ああ、いい匂いがする。
ぼくの一番の宝物。
お兄さんがくれたハンカチ、きれいだね、ニッキー。
あの人は、なんて名前なのかな?
ニッキーは知らない?
もう一度会いたいな。ばあやは、ダメって言うのかな。
ねえ、ニッキー。
ニッキーも覚えていてね、あのお兄さんのこと。
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