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…
そう言えばさっきからクラクラする…。
ヒートのせいかと思っていたけど。
大きな手のひらが和真のおでこを触りそのまま
首筋も両手で包まれる。
手の感触が心地よくて。目を閉じてしまう。
ずっとこのままいてほしい。
「結構高いよ、熱計ってみて」
そう言って体温計を渡された。
「柊生君呼んでくるから、待ってて」
傑はそう言って、和真を診察室に残して出ていった。
ー 動悸が止まらない…。
待合室では柊生がウトウトしながら待っていた。
「相変わらずどこでも寝るね」
傑がそう声をかけると、あぁゴメン、と目をあけて
洗顔でもするように両手で顔をこすって、座り直す。
「どう?大丈夫そう?」
「骨折も無さそうだし、多分大丈夫だよ。
打ち身はアチコチあるし、後から痛みは
出てくるだろうけど…
それより、あの子熱あるよ」
「え、まじ?そういえば くしゃみして
喉も痛いとか言ってたな」
そこまで話すと傑が、診察室を指差して
待ってるから行こうか、と柊生を促す。
「どう?何度だった?」
ドアを開けるなり傑が聞く。
和真は持っていた体温計をもう一度見て
「39.4ですね」
と自分でもビックリという顔をする。
「高っ」
柊生が信じられないという顔で、和真の手から体温計を
とりあげて自分で見て、本当だ!と驚いている。
「とりあえず2回分だけ解熱剤あげるから
熱下がらなければ、内科も受診しなよ
こんな状況じゃ ちゃんと診察も処方もできないし
俺が今できるのはここまでだよ」
「はい 本当に ありがとうございました」
和真は深々と頭を下げた。
「助かったよ、ありがとう」
柊生もいっしょに頭を下げてくれた。
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