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11.幸福感

和真がシャワーを浴びて戻ると 柊生が下だけ履いた格好でベッドを整えていた。 「あ、汚しちゃってゴメンね…?」 気まずそうな和真の声に柊生が振り返る 「気にするなよ これは俺の役割だよ」 そう言ってニッと笑う 「ってゆうか何で半袖?」 「なんか適当に服持ってきたから パジャマ的なのが入ってなかった」 まぁ急がせたからな、と言いながらクローゼットへ 行って、昨日借りた物と同じブランドのスウェットを 出してくる。 「病み上がりだし これ、着といて 俺もシャワー浴びてくる」 「うん、あ、お水もらっていい?」 「おお、冷蔵庫の適当に飲んで」 リビングへ行って冷蔵庫を空ける 2lのミネラルウォーターを出して 適当なグラスに注ぐ。 一杯を一気に飲み干して、ふぅと一息ついた。 恐ろしく片付いたキッチン。 冷蔵庫の中も食材らしい物はほとんどなかった。 ー 自炊してそうもないな 昨日よくあれだけフルーツ出せたな、と 不思議だった。 ー 腰が重い。。 何年かぶりのセックスは思ったよりも 身体に堪える。事故のせいもあってか 立っているのも辛い。 グラスにもう一杯水を入れて ダイニングテーブルのイスに座った。 しばらくすると柊生が、タオルで頭を拭きながら 出てきた。 和真がグラスを持って 「グラスも借りたよ」 と声をかけると 「おう、何でも適当に使って」 言いながら自分も水を汲んで、昨日と同じように 和真の前に座った。 いざ 顔を付き合わせると照れる まだ、お互いの手の感触が体のそこらじゅうに 残っているから。 「ハラヘッタね」 どちらかともなく、目をそらして話す。 「うん」 「でも、何にもないんだ… インスタントラーメンくらいしかない なんかデリバリー頼む?」 「いいじゃん ラーメンで。 作っていい?」 和真が言いながら立ち上がる。 「じゃ、一緒に作ろう」 「インスタントラーメンを?二人で?」 あの少ない作業を、どうやって分担するんだと 和真は思わず笑ってしまう 「そう、ふたりで」

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