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…
「俺、今日からどこで寝るの?」
「そりゃ、俺の部屋でしょ?」
「え、ずっと一緒に寝るの?」
和真が戸惑った顔をする。
「他にどこに寝るつもりだったの?」
一緒は嫌なのかと柊生は内心ショックを受けた。
「妹さんの部屋?」
「あれは非常事態だったから使ったけど
基本、あの部屋は妹の部屋だから使ったら
怒られる」
嘘じゃない、以前、勢いでお持ち帰りした女が
何日か入り浸ったことがある。
柊生は一回で厭きてしまったが、毎晩せがまれ
鬱陶しくなって、人と一緒だと眠れないと言って
部屋から追い出すと、勝手に妹の部屋を使っていた。
何日か素っ気なく振る舞っていると、1週間ほどで
来なくなったが、それから2週間ほどたって
現れた妹は、すぐに女の匂いに気づいた。
気持ち悪い匂いの女を、私の部屋に入れるなと
散々怒られた。
妹もαだ。だから、きっと和真の匂いにも
すぐ気づくだろう。
ー 和真のこと…なんていうだろう
ほんの少し、会わせてみたいと 思った。
なぜか、和真の事を気に入るような気がしたのだ。
「広いベッドだけど、俺が一緒に寝て邪魔じゃない?
俺、寝相悪いよ」
柊生はその言葉を聞いて、なんだそんな事か、と
ホッとした。
「俺 眠り深いから平気」
「…あ、そ、まぁ俺もだけど
柊生さんがそれでいいなら、いいよ」
「よし、じゃぁよろしく」
柊生はそう言って右手を出した。
和真も笑って同じように右手を出して
グッと握手を交わす。
「お世話になります」
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