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それから1~2ヶ月に1度くらいのペースで会った。 ほとんどはレストランやカフェで、時にはデート みたいに、ショッピングや水族館なんかも行った。 お互いその頃付き合っている相手の報告も したりして、少し変わった関係でも、2人は 上手く行っていた。 少しずつ考えが変わっていったのは柊生の方だった。 何がきっかけだったのか覚えていないけど 子供の話が理由のひとつだったかもしれない。 杏菜は子供を産むのが嫌でしょうがないと よく話していた。 結婚を急がなかったのもそれが 理由だった。 αである杏菜は必ずしも産む側である必要はない。 妊娠、出産なんてリスクを自分が負わなければ ならない事が苦痛だと。 でもこの結婚は杏菜が柊生の血をひくαの子供を 産まなければ意味がない。 杏菜は納得はしていたけれど決して前向きでは なかった。 柊生は何度かその話を聞いているうちに 嫌がっている相手が自分の子供を出産する事に 疑問を感じ始めた。 そもそもαは妊娠しにくい。杏菜はちゃんと子供が 産めるのだろうか? 子供が欲しくて思ったんじゃない。 子供ができないなら、この結婚の意味がないのだ。 結婚相手が杏菜である必要がない。 そう思えてきたのだ。 今年になって、同窓会があると言って。 母が上京してきた。 その時久しぶりに二人きりで食事をした。 そろそろ落ち着かないとね、と暗に結婚の事を 切り出された。 「ちゃんと考えてるよ」 柊生はぶっきらぼうに答えた。 「顔合わせの食事会が終わったら、すぐに結婚の 日取りを決めて、、そうなったら大忙しよ」 母の顔も見ずに、柊生は黙々と鉄板の肉を 食べ続けた。 「本当にいいの?」 突然の言葉に驚いて柊生は、何が?と顔を上げた。 「私もお父さんも、柊生が納得した人なら 誰だっていいのよαじゃなくてもね」 「今さら何言ってんの」 「あら?最初から言ってたわよ」 「まぁ そうだけど…」 母は柊生を見透かすように笑っていた。

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